2023年度の取り組み

大丸有のプロ料理人向け「ジビエ料理セミナー」開催レポート

2023年10月19日、大丸有SDGs ACT5実行委員会は、SDGs達成と深く関係する「ジビエ」の普及を目指し、日本ジビエ振興協会の協力のもと大丸有レストランのプロ料理人向けセミナーを開催しました。

ジビエと

「ジビエ(gibier)」とは、フランス語が語源で、食用として捕獲された野生鳥獣の肉や、それらを使った料理のことをいいます。ジビエはフランスなどヨーロッパ諸国において貴族の食文化として発展してきましたが、日本でも牡丹鍋など伝統的なジビエ料理があります。

ジビエとSDGs

実はジビエは、SDGsを考えるうえでも重要な役割を果たします。
地方の農山村では耕作放棄地が増加し、猪や鹿などの野生動物が周辺の農地や森林を荒らしています。これが営農意欲を低下させ、更に耕作放棄地が増加するという悪循環が生じています。農山村を荒らす野生動物をジビエとして頂くことで、農業や林業への悪影響を抑えることにつながります。

また、牛のゲップでメタンガスが生じることや、飼料の生産に膨大な資源を必要とすることなどから、SDGsの観点では畜産の縮小や効率化が求められていますが、ジビエを頂くことが食文化として定着すれば、畜産の縮小につながるほか、新たなタンパク源として食料危機問題へのソリューションとなる可能性もあります。

開催レポート

日本ジビエ振興協会 代表理事 藤木様(以下「藤木シェフ」)による講演

まずは藤木シェフより、ジビエの定義や歴史、ジビエとSDGsとの関係、そして安全にジビエを提供するための認証制度についてお話をいただきました。参加者は熱心に耳を傾けています。

藤木シェフによる調理実演

ご参加者の皆様がジビエをいただく意義や認証制度、仕入れる場合の注意などについて理解したあとは、会場キッチンに集まります。

ここでは、藤木シェフによるジビエの調理実演が行われました。この日は鹿の枝肉を利用し、藤木シェフ自らつぎつぎと捌いていき、部位ごとに選別していきました。

藤木シェフは実演と同時に、部位ごとの調理方法や美味しい食べ方、そして安全に提供するための注意事項やテクニックなどについてもお話してくださいました。目の前でつぎつぎと鹿肉が捌かれていく様子に見入る大丸有の料理人の皆さんからは、積極的な質問が飛び交い、有意義な意見交換がなされていきました。

試食

最後には、藤木シェフがご用意してくださったジビエ料理の試食が行われ、参加者は本日学んだことを振り返りながら、ジビエ料理のバリエーションや美味しさについて意見交換をする時間となりました。

大丸有SDGs ACT5実行委員会は、大丸有を起点にSDGs活動を盛り上げていくことを目的としています。今回は、日本ジビエ振興協会の皆様にお力添えいただき、大丸有エリアの飲食店・レストランの皆様にジビエの安全性や提供方法についてお伝えいたしました。大丸有がジビエをはじめとするサステナブルな食材に出会える街となるよう、今後も務めて参ります。

アクション実施概要

開催日時2023年10月19日(木)14:30〜16:30
開催場所MY Shokudo Hall&Kitchen
(東京都千代田区大手町2-6-4 TOKYO TORCH 常盤橋タワー3F)
講師日本ジビエ振興協会 代表理事 兼オーベルジュ・エスポワール オーナーシェフ
藤木徳彦 様
協力日本ジビエ振興協会
株式会社STORY
参加者大丸有レストランの料理人・経営者
参加費無料
主催大丸有SDGs ACT5実行委員会/三菱地所株式会社 EAT&LEAD