2021年の取り組み

~全6回軽食つきセミナー~「SUSTABLE(サステーブル)」Vol.3 【ジビエ】開催レポート

「サステナブル・フード」について“おいしく・楽しく”知っていただくための新プログラム「SUSTABLE」の第3弾「ジビエ」が2021年10月12日に開催されました。今回はジビエの食肉利用が、野生鳥獣被害防止のほか、環境保全など様々な社会・環境課題解決につながっていることを学びました。

まずは一般社団法人 日本ジビエ振興協会 代表理事であり、長野県で地産地消を追求するフレンチレストラン「オーベルジュ・エスポワール」のオーナーシェフでもある藤木徳彦氏から、日本国内における野生鳥獣による農作物被害の深刻な状況と、その要因となる狩猟者の減少や耕作放棄地の増加、過疎化などの地方が抱える課題についてご紹介いただきました。

「野生鳥獣による農作物被額は平成30年度で158億円」と話す藤木氏

また、ジビエと畜産肉の流通の違いや、安全なジビエを入手する方法、そして、ジビエの美味しさの鍵を握るのは「適切な食肉処理」であり、2018年に農林水産省が制定した「国産ジビエ認証制度」では、厚生労働省ガイドラインの遵守状況のチェック・確認に加えて、商品のトレーサビリティも確認できることを教えていただきました。

また、ジビエ自体がヘルシーで栄養価に優れている食材であり(ニホンジカの脂質は鶏モモ肉の約1/5、鉄分は約6倍)、アスリートやお子様にもおすすめしたい優れた食材であると、シェフの視点でのジビエの魅力についてのお話もいただきました。

続いて、ジビエハンターとして京都府福知山市で活動しながら、食肉処理施設(国産ジビエ認証制度・認証第1号)を運営、ジビエ肉の販売までを手がける株式会社ART CUBE 代表取締役社長 垣内規誠氏より、ハンターとして、そして食肉処理施設の運営者として、地元で起きている野生鳥獣被害の現状や、ご自身が展開されているジビエの食肉利用について、また、これら「獣害」を引き起こす野生動物を、逆に「地域の特産物」として活かせないかと、8年前に事業を起こされたときの想いもお話しいただきました。

「適切に処理されたジビエは臭みもなく、ヘルシーで食材としての栄養価も高い」と語る藤木氏

会場キッチンでは、垣内氏が販売する「鹿肉のかきうち」の鹿肉を、藤木氏が5品のスペシャリテに仕上げ、ボリューム満点のコース料理を会場の皆様にお召し上がりいただきました。

●MENU
・鹿肉のテリーヌ フレンチマスタード添え
・鹿肉のからあげ
・鹿肉としめじのトマトシチュー
・鹿肉のポワレ
・鹿スネ肉とバナナのタルト

「わ!やわらかい!」という会場の声に、「捕獲してから迅速に、適切に処置されたお肉は硬くなく、血の臭みもないんですよ」と垣内氏。
さらに、ジビエを安心・安全に美味しくいただくための加熱方法や、加熱前の下処理について、藤木氏からのレクチャーも。

最後のトークセッションでは、日本で捕獲される年間130万頭の鹿と猪のうち、食肉処理施設を通して食肉利用されているのはわずか10%にすぎない現状を確認した上で、ゲストからは、捕獲した鳥獣を安全に衛生的に処理する認証施設を増やしていくことや、使い手である料理人へのジビエ講習会の実施、消費者にジビエのおいしさを伝えていくことの大切さ、「ジャパンジビエ」を文化として世界にPRしていきたい!など、今後のジビエ振興の課題と今後のアクションについて、熱いお話が展開されました。

アクション実施概要

開催日時2021年10月12日(火)18:30〜20:00(開場18:00)
開催場所MY Shokudo Hall & Kitchen(東京都千代田区大手町2-6-4 TOKYO TORCH 常盤橋タワー3F)
出演者
(順不同)
◆一般社団法人 日本ジビエ振興協会 代表理事 兼 オーベルジュ・エスポワール オーナーシェフ 藤木徳彦氏
◆株式会社ART CUBE 代表取締役社長 垣内規誠氏
定員会場参加:30名/オンライン参加:500名
参加費会場参加:1,000円/オンライン参加:無料
主催大丸有SDGs ACT5実行委員会/三菱地所株式会社 EAT&LEAD
後援
国連広報センター