2021年の取り組み

【第3回 E&Jラボ開催レポート】E&Jってなんやねん。D&I推進はオモシロくやる時代

第1回・第2回はリアルとオンラインのハイブリットで開催した「E&J ラボ!」。2022年1月25日に開催した第3回は、コロナ禍拡大を考慮し初のオンライン開催となりました!

第2回を振り返った後、お迎えしたのは第3回目のゲスト・教授の原口淳さん! 原口さんは生まれつき全盲で、現在は㈱ミライロと(一社)日本ユニバーサルマナー協会の講師として活躍されています。

原口さんは自己紹介の前に、参加者がそれぞれ考える2つのワークからスタート!

1つ目は「意識しているもの以外のものには目が向きにくい」ということを体感するワーク。「だからこそ普段意識していない部分に目を向けると新しいものが見えてくる」というお話に納得です。
2つ目は写し出されたイラストの様子を、イラストを見ていない他の人に説明するワーク。視覚障害のある方にとっては、詳しい状況説明と共に、見た人がイラストから感じる「楽しそう」「にぎやかな感じ」といった様子も伝えてもらうと嬉しいそうです。

“見る/見える”ということについて意識を高めたワークの後、“全く見えたことがない”原口さんご自身の生い立ちや体験のお話が始まりました。

かなりやんちゃな少年だった原口さん。ご家族はちょっとぐらい危険なことをやっても止めもせず、原口さんは伸び伸びと育ったご様子。

ただ、周囲の人から何度も「目が見えないのに自転車が乗れてすごいね!」と言われるうちに、次第に「他の子とは違って“目の見えない子ども”と見られている」というコンプレックスを感じるようになり、盲学校ではクラスメートもいない寂しさもあって、思春期には投げやりになってしまうこともあったそうです。
そんな原口さんに高校1年の時に転機が。

先生に誘われて入部した放送部で、普通の生徒と同じコンクールの全国大会に出場!

更に、憧れの高校野球の県大会では司会を務めたことで、グラウンドに立つ夢も、普通の生徒と同じように声を掛けられるという夢もかなったのです。「見えなくても声がある」。原口さんは徐々にコンプレックスが消えていき、もっといろいろな挑戦をしたいと思うようになりました。

新たな挑戦として入学した大学でブラインドサッカーに出会ったことも原口さんにとって大きな転機でした。

「『見える/見えない』の壁が一切なくなるピッチの中では自由に走ることができる」。

良い仲間と共に得たこの感覚が、今の原口さんの目指す社会でもあるとのこと。

「障がい(バリア)を価値(バリュー)に変える」ことをビジョンに掲げる㈱ミライロで、「見えないからこそできる、自分にしかできないことがある。それを追求していきたい」と力強くお話を閉められました。

次のsection「解剖TIME」では、原口さんへの理解をより深めるために参加者から様々な質問を投げかけ、原口さんを“解剖”しました!

「生まれつき全盲の方と中途で見えなくなった方とで考え方等に違いを感じる?」「見えるようになったら何が見たい?」「パソコンはどうやって使っている?」「服装はどのように気を使っている?」「自転車の構造はどうやって理解する?」「色の認識は?」・・

五感や過去の経験をフルに生かし、様々なことを認識されて生活されている原口さん。
どんな質問にも常に前向きな回答が印象的でした!

次は「“絵空事”を描く」をテーマにした「分析TIME」。

E&Jラボを通じて実現してみたい「2030年の大丸有エリアの未来」について、「①人、②街、③職場、④モノ・サービス」の4グループに分かれてディスカッションしました。

「できるできないは置いておいて、2030年に大丸有がどんなところになっていてほしいか、もしyahooニュースに取り上げられるとするなら?といった絵空事を描いてみましょう!」という堀川博士のむちゃぶりに、各グループとも徐々に意見が盛り上がり・・

ディスカッション後の全体での発表では、こんな街であってほしいという期待の声が続々と! 「やさしさ溢れる」「いろいろな価値観が当たり前に」等々、短時間のディスカッションとは思えないくらい、様々かつ芯の通った声が上がりました。

最後に改めて原口さんにメッセージをいただきました。

「いろいろなことがあって、いろいろと考えた結果『ブラインドサッカーのピッチのような社会を目指したい』という考えにたどりついた。皆さんもぜひE&Jラボで心躍る楽しいことを考えていっていただきたい。」

見えないことを自分の強みとしてこれからも発信を続けるという原口さんの言葉は、一人ひとりの胸に強く響くと同時に、走り出したばかりの「E&Jラボ」を温かく後押ししてくださった気がします。
原口さん、ありがとうございました!

今回は「目には見えないビジョンの描き方」について原口さんからのお話を踏まえ、E&Jの視点で参加者の皆さんと実り多いディスカッションをすることができました。
ラボ終了後も30分ほどネットワーキングが続き、フランクに意見が言える和やかなコミュニティとなってきています。

次回は「E&Jの視点から未来の大丸有を描く」をテーマに、今回のディスカッションを更にまとめていく作業に入ります。
今回ご参加いただいた方、また楽しくお話しできることを楽しみにしています!
また、まだまだ始まったばかりですのでこれから参加の方も大歓迎です。お待ちしています!

<第4回開催日のお知らせ>

日 時 :2022年2月24日(木)18:30~20:00
会 場 :3×3 Lab Future (大手門タワー・ENEOSビル1階) https://www.33lab-future.jp/access.html
     ※ オンラインとのハイブリット(オンラインのみでの開催についても検討中)
ゲスト・博士:堀川 歩さん(株式会社アカルク 代表取締役社長)
お申込み:https://act-5.jp/act/2021act4-6/

実施概要(第3回)

開催日時 2022年1月25日(月)18:30~20:00
会 場 オンライン開催
登壇者 研究所教授/第3回ゲスト 原口 淳
研究所博士/モデレーター 堀川 歩
参加料金・定員 無料/30 名程度
主催 大丸有SDGs ACT5実行委員会事務局
事務局協力 株式会社アカルク
協力 株式会社スタートライン