2022年度の取り組み

「大丸有のD&Iをかんがえるカイギ」開催レポート<第2部 意見交流編>

2022年11月11日、D&I(ダイバーシティ アンド インクルージョン)において「知る」「共感」「巻き込む」を目的にしたイベント「大丸有の D&Iをかんがえるカイギ」を開催しました!
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第二部の意見交流編では、多様な視点から楽しくD&Iの取り組みを行っているゲストを迎え、どのようにD&Iを発信し、多様な人を巻き込んでいるのか。それぞれの活動の事例から、D&Iの一歩先の進め方や、仲間づくり、アライコミュニティを創るヒント等について、ゲストと来場者の皆さんとざっくばらんにお話ししました。

まずはゲストをお迎えし、皆様に3分の自己紹介をいただきました。一人目は株式会社HiRAKU 代表取締役・元ラグビー日本代表キャプテンの廣瀬 俊朗氏!

廣瀬氏はさまざまな軸でD&Iに繋がる活動をしており、この日には3つの活動が紹介されました。一つ目はOne Rugby。一般的に目にする機会が多いのは15人制ラグビーですが、One Rugbyの活動では障害者ラグビーやタッチラグビーなどさまざまなラグビーファミリーと一緒に体験イベントの運営を行なっているそうです。その活動の中でラグビーを生涯スポーツにしていくのが目標と語っておられました。他にも2019年のW杯の際に行った国歌を歌っておもてなしをする「スクラムユニゾン」や、女性スポーツ選手と生理の関係を訴える「12/52 project」など障害・国籍・男女さまざまな軸でのD&Iな取り組みをご紹介いただきました。

続く2人目は車椅子インフルエンサーの中嶋 涼子氏!

車椅子をポジティブな印象に変えたい。その想いから、自身のYouTubeチャンネル「中嶋涼子の車椅子ですがなにか!? -Life on Wheels–」にて、どんな生活を行っているのか、バリアフリー情報を発信されています。また、自身が車椅子生活になったきっかけから落ち込んだ経験、そして映画にマフィア役(!?)で出演されたお話までいただきました。

3人目は株式会社丸井 北千住マルイ店次長の須藤 修二氏!

須藤氏はSDGsを推進する部署に所属しているわけではないものの、一人一人が進めていく風土の中でダイバーシティを活かす活動をしているとのこと。「LGBT就活」や誰でも使いやすい「みんなのフィッティングルーム」、SDGsを考え購入できるショップ「Sustainable Think.」や「インクルーシブパレード」など様々なイベントを仕掛けてこられました。その中で、ダイバーシティに次の世代を巻き込むことを大切にされていました。

最後の4人目は株式会社小国士朗事務所 代表取締役の小国 士朗氏!

まずスライドに大きく投影されたのは肩書きのない小国氏の名刺。そこからNHKでのお仕事や心臓病になってしまい番組を作れなくなった後から「番組を作らないディレクター」を名乗り始め、番組以外の方法で大切な情報や価値を届ける新しい働き方を見出した話。そしてNHKを卒業し、今どのような思いで活動をしているかについてお話いただきました。番組を作らないディレクターとして仕掛けられた、みんなの力でがんを治せる病気にするプロジェクト「delete C」や、LGBTQ+について考えるワークショップ「レインボー風呂ジェクト」などについてお話しいただきました。様々なイベントを仕掛ける中で大切にされている、「“にわか”でもいいから、誰もが気軽に参加できるようにする」という考えをご紹介いただきました。

なんと自己紹介だけで30分も経過!モデレーターの株式会社アカルク代表取締役社長 堀川 歩氏も笑いながら「それでいいんです!」と話を進めます。
ここから先の読めないトークディスカッションが始まります。

一つ目のテーマは「もっと教えて!聞かせて!!」
先ほどの短い(?)自己紹介では聞ききれなかった話を掘り下げていきます。

ラグビーを通して様々な取り組みを行う廣瀬氏。その理由を聞かれ、「やってみたい性格」と「様々な人とするからこその楽しさ」とのこと。また開催するイベントに関しても、「様々な参加の仕方がある」ことを大切にしておられました。
そこから小国氏が続きます。マーケティング用語で「CSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任」「CSV(Creating Shared Value=共通価値の創造)」といった言葉がありますが、次の「CS◯」は何だろうと話を始め、「CSA(Casual Social Action=軽やかなソーシャルアクション)」というコンセプトを大切にしていると語りました。「CSA」では、理屈や意義や大義を考えすぎて身動きが取れなくなるくらいなら、「〇〇するだけでいい」というシンプルなアクションを大切にまずはやってみる。その後にその理由をしっかり理解すればいい、それが大切だそう。
その話を受けて、中嶋氏に話題が移ります。元々人前で話すことが苦手だった中嶋氏ですが、人前で伝えることで元気になる人がいることに気付いた中嶋氏。そこからアメリカ留学の話になり、アメリカと日本の違いに驚いたそう。アメリカでは目が合うと”Can I help you?(何か手伝いましょうか?)”と会話が始まるそうで、こういう一言が嬉しいし大切とのこと。

最後は須藤氏にバトンタッチ。須藤氏の活動のきっかけは「がん当事者」になったことで、早期発見だったものの、命の限りを知ったそう。その中で情報を知らない怖さを感じ、発信することの大切さから活動を始めたようです。

以上の話を受けてモデレーター 堀川氏が話を進めます。
次のテーマは「普段D&Iを多様な人に届けるために工夫していること」。

小国氏が話を始めます。様々なイベントを仕掛ける際に、「この指止まれ!」の「指」を大切にしていると言います。その「指」が誰もが止まりたくなる指でないといけない。
その次の廣瀬氏は、「体感すること」を重要視しているそう。車いすラグビーなどを経験することに意味があり、その経験の深さも同時に重要とのこと。また「壁があるから、仲良くなれる」という新たな視点のメッセージもお伝えいただきました。
須藤氏は周りから巻き込まれ、繋がっていくことが大切にしていると仰います。続く中嶋氏は当事者として、普通の障害者でも楽しめることを伝えることを重視しているそう。人を巻き込むことで、発信できるとのことでした。

3つ目のテーマは「人を巻き込む秘訣とは?」。


須藤氏が先陣を切ります。当事者ではないものの、当事者の立場に立つこと、そして世の中とのシンクロが秘訣だと仰います。話を聞くと何かやらないといけないと感じるそう。
小国氏が話を続け、仲間を巻き込むときには「説得をしない」と語りました。アイデアを話して、思わず「なにそれ!おもしろそう!」と前のめりに反応する人(小国氏はそういった人を“ステキなうっかりさん”と呼んでいる)とだけプロジェクトをする方が、実現までのスピードが速いし、ワクワクしながらできるといいます。
廣瀬氏は、ラグビーをしていて「助け合うのは当たり前で、改めてD&Iだと言われるとどこか恥ずかしいです」とのこと。

最後のテーマは「D&Iを推進するイベントで人を巻き込み発信する上でのアドバイス」

廣瀬氏は参加の仕方は自由で、ゴールを一緒にするといいのではないかとのこと。小国氏は職場だけではない、個人としてのダイバーシティを表現できるイベントがいいとのアドバイスを頂戴しました。
その際、いいと思った意見には参加いただいた皆様に手話で拍手をいただきました!積極的に手話で拍手をいただき、感動いたしました!

その後は飲み物とお菓子を楽しみながら、ゲスト4名を囲む交流会を実施いたしました!ゲストとだけでなく、参加者同士でも話が弾み、D&Iの輪が広がっていくのを感じました!

4名のゲストをお迎えし、相乗効果で魅力が何倍にもなった「意見交流編」でした!ご参加いただきました皆様、ありがとうございました!

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